【現状有姿定義】
現在あるがままの状態を意味。
売主の瑕疵担保責任を免れるために、売買契約書中に『現状有姿で引渡す』旨記載して取引する事があるが(これを『現状有姿売買』という、引渡しまでの間に目的物に変化があったときまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的に解する意見が強い。(株式会社不動産流通研究所・不動産用語集)
売主の立場では
- できれば、有るがままの状態(引越しした後は、常識的な掃除を行い、修理まではしないそのままの状態)で、この売買金額で引き渡したい。
- できれば、引き渡した後に、売買契約時に気がついていなかったり、説明していなかったキズが発見されたとしても、責任を負いたくない、認めて欲しい。
買主の立場では
- 売買契約金額は、できれば、クロスや畳等を修理した上での金額として欲しい。
- 10分や20分、居住中の家(空家であっても)を見学しても、全てのキズを知ることは不可能だから、できれば、引渡し後でも気がついたキズは売主に修理して欲しい。
このように双方は利益相反の立場にあります。
だから、この事項に配慮したプロセスと説明がある取引を実行しています。
(この事項に気配りを感じない取引は危ないと思ってください)
【取引現場で行っている担当営業者の注意、説明】
- 仲介業者は、目に見えるキズ、目に見えないキズを含めて、査定段階で、建物経過年数による現価率等で査定価格に反映して売主に報告します。
※家の履歴(キズを含む)、近隣の様子は売主にしかわかりません、査定までに担当者に伝えて、価格に反映してある事を買主に説明して取引すればその後ずーっと安心だと思ってください。 - 売主は、査定報告を参考にして、有るがままの状態(現状有姿)を条件の媒介価格(販売価格)を担当者と相談、決定していただきます。
買主は、住んだ後にわかるキズの内、
- 土地の隠れたる瑕疵
- 建物の雨漏り
- シロアリの害
- 建物構造上主要な部位の木部の腐蝕
- 給排水設備の故障
に限って、引渡し後3ヶ月以内に発見された場合だけ、売主に責任を持っていただき、(これは、売主が個人の場合の取り決め方で、売主が不動産業者の場合は異なります)これ以外の全てのキズは、あることを前提にした媒介金額として検討し、いろいろな物件を見比べた経験や、買主担当営業マンからの、専門的な説明や、上記①、②の価格決定プロセスの説明を合わせて熟慮して、
- 提示された条件のままで『現状有姿』で買いましょうとか
- 販売価格から ○○円 引いてもらえるなら、『現状有姿』で買いましょうとか
の交渉の上で、『双方が納得合意したところで売買契約となる』こんなプロセスで終了できれば3者が納得、安心です。
こういう考え方で、家のキズ(故障)と売買金額の関係を、売主、買主、仲介業者が共通の理解ができる事を目標に、
- 買主案内時に、現場を見ながら現状有姿の考え方を説明し
- 重要事項説明書で納得いくまで説明し
- 売買契約書第1条、第10条、第12条の説明で双方が納得合意して調印すれば
トラブルの可能性はほとんどないということです。