「家、土地、マンションを売りたいと思った時に、比較的早く売れる。」というのが、売主様の願いであり、価値観が高い不動産です。
平成2年にそれまでの不動産神話が崩壊しました。
崩壊後の『売却』にとっての大きな問題の一つが今回の『売却可能価格』と『住宅ローン残債』との 逆転現象 がある場合の売却です。
住宅ローン元本の減少金額より、不動産の値下がり金額が大きい場合があります。ここをどうやり切るかが将来計画の明暗になります。
事実(分析と対策)を知っておけば手を打てる場合があります 。この場合の分析を数字で検証してみます。
【具体例】
広島市西部地域住宅団地内の土地50坪、築10年の中古住宅を、3年前に2000万円(全額ローン:2.875%、30年、ボーナスなし、元利金等払い)で購入して、今売却しようとした時のローン残債と売却価格の関係の考え方(実態)の概要です。
【分析】(土地価格を路線価とした場合)
ア.平成17年購入時価格
土地価格 13,035,000円(平成17年路線価×50坪)
建物価格 6,965,000円
合計 20,000,000円
イ.平成20年売却可能価格
土地価格 12,045,000円(平成19年路線価×50坪)
建物価格 4,980,000円(耐用年数20年、建築後13年の残存価格)
合計 17,025,000円
ウ.価格変動
20,000,000円-17,025,000円=2,975,000円
エ.住宅ローン、3年支払い後の元本減少額
1,316,642円 (3年総返済額の約44%)
オ.通算すると
住宅ローン残 18,683,358円
売却可能価格 17,025,000円(計算上の金額です)
不足額 1,658,358円 (土地価格が右肩下がりのときの現象です)
※これは、例示の不動産を購入から短期間で売ったとした時の一面的な捉え方です。住み続ける場合には全く無意味な検討です。
【対策】
売るか売らないかの検討をする時、不動産価格の大きな流れが上昇傾向と読めるときには、持ち続けておくほどよいのですが、長期的な下落傾向と読める時には、資金を工面してでも売却しておくほうが良い場合が多くなります。(貸した場合の収入との比較もしておく必要があります。)
住宅ローン支払い開始初期に売却する場合特に、この問題が出る経済情勢です。右腕 (信頼できるかかりつけのお医者さんのような担当者)に先ず相談です。